「大学院に入らない?」と言われたら
大学院に入った方がいいのか?
結論:進路、働き方による
学位をとる一番のメリットは助教以上のポストにつけるようになることだと思います。
逆に言えば学位がないと助教にはなれません。
助教は医員と何が違うかというと、まず給料が上がります。よく大学の給料は安いといいますがそれは医員の話で、助教以上ならそれなりにもらえるようになります(外勤はしないときついですが)。一方で学生への講義や大学内の委員会の仕事など診療外の業務が増えるようです。
大学で働き続けたいのであれば学位は必須です。しかし助教以上のポストは科によって数が決まっているので学位をとったからといってなれるとは限りません。あくまで必要条件です。といっても大学に残りたい医師も少ないような気がするので(特にマイナー科)よほどポストが少ない科でなければなれると思います(科によります)。
今は興味なくても今後何かが起きて大学で働きたくなることがあるかもしれないならとっておいてもいいのかなと思います。(何かが起きる;教授が変わる、市中病院で働くのが嫌になる、など)
大学院で何をするのか?
基本4年で卒業、条件を満たせば3年で卒業ということになっています。
講義は大学院1年目にあります。基本webclassです。1コマ30分~50分×50コマくらいなので結構時間かかりますが当直中にこなせば終わります。
卒業には学位論文が必要で、3年で卒業するにはインパクトファクターが一定以上の雑誌に投稿する必要があります。
実際3-4年で論文がかけるかというと、サポートなしでは難しいと思います。
どの程度サポートが得られるかは科(というか教授)によります。
自分で研究テーマを設定するのは難しいので大体は与えられたテーマで研究していくことになると思います。
運がよければすでにデータがありそれをまとめて投稿できる場合もあります。講義で誰かが言っていましたが研究のエフォートはデータ収集、データ解析、論文化がそれぞれ1/3ずつなので、すでにあるデータを使っても解析と論文化をやれば筆頭で書いてよいと思います。
研究室のない科だったりサポートが得られない場合はどうなるのか?卒業した先輩に聞いてみてください。卒業はできると思いますがちょっと大変かもしれません。
解析と投稿の時間を考えると、3年で卒業する場合には2年目、4年は3年目にはデータが集まってないといけないので入るときからどうやって卒業するか道筋は建てていた方がいいです。
入試の話
うちの大学院の合格者を数年分みましたが落ちた人はいませんでした。なので入試の勉強は不要です。
試験は英語と日本語の文章問題と面接です。面接官の2人のうち片方は自分の教授なのでこれも余裕です。
それよりも書類の準備が面倒でした。研究計画書を提出しないといけないのですが当然書けるわけがないのでこの時点で研究テーマを与えてもらう必要があります。
私は大学で働きたかったので入局時から入学しました。どのタイミングで入るのがよいのかは状況によるので(専門医や奨学金、医局の人事など)上司や先輩とよく相談した方がいいです。将来みなさんと大学で一緒に働ければよいなと思います。