OGD

症例メモ

心不全で入院中。afあり。入院時に貧血認め抗凝固薬中止。

入院後10日程度で抗凝固薬再開した。

再開した日の夜に右側に転倒した。頭部外傷はなく目立った症状はなかった?(夜間当番が診察)

翌日の朝から右上下肢のしびれ、右上肢の脱力を訴えた。

診察するとJCS1、右口角下垂、右上下肢不全麻痺(3~4-程度)、右上肢失調を認めた。Barre徴候は陰性。

脳梗塞を疑い12時頃にMRIを撮影。MRAで左PCAのP2以降の描出不良、DWIで左側頭葉内側~内包後脚に連続した梗塞巣と左尾状核の微小な梗塞巣を認めた。

心房細動あり、多発脳梗塞のため心原性脳梗塞と考えられたが発症時刻は不明。前日夜の転倒時にすでに発症しており不全麻痺・失調が転倒の原因だったかもしれない。

脳外科コンサルト、抗凝固薬は継続でエダラボン開始の指示。

15時頃、家族面会中に急に意識レベル低下。診察するとJCS300、右瞳孔散大している。

脳出血疑いCT撮影したが出血なし。

この時点で①主幹動脈の脳梗塞再発 ②NCSE を考え頭部MRI撮影。

DWI、MRA、ASLのみ撮影したがASLで梗塞巣がやや血流改善している他は前回と同様の所見。

MRI撮影後に意識レベルはJCS10に改善した。

脳外科再度コンサルトすると椎骨脳底動脈系に血栓がとび意識レベルが低下したがその後再開通した可能性がある、らしい。

翌日にはJCS1になり不全麻痺はほぼ改善、しびれも消失。右上肢の失調と構音障害のみ残っている。

 

気になった点

・閉眼しているが瞬目のような運動がみられる

・瞳孔にライトを当てると避けるように眼球が動く、追視のような動きもある。

→上記2つは意識障害で初めてみる所見。

・入院1ヶ月前に自傷行為あり(リストカット

・意識レベル低下する直前に家族に「死にたい」と言っていた。改善直後にも「息の根を止めてくれ」と発言した。

・右上肢不全麻痺は二頭筋は保たれているのに三角筋、三頭筋は低下している。前腕より遠位も保たれている。

・JCS300のときに右上肢を顔の前に落としたが顔を避けた(本物の麻痺があると顔に落ちる)

 

以上からは心因性意識障害解離性障害?)の可能性もあるように思えるが、どうだろうか?

脳梗塞があるのは確かな所見だが、失調が起きるような場所ではなさそうだし、麻痺の領域もおかしい。

NCSEも十分考えられるか?梗塞巣は左海馬領域も含んでいるし、梗塞巣がASLで血流改善しているのは改善したというよりもてんかん発作で血流が増加したのでは?

たしかに椎骨脳底動脈系の塞栓でも意識障害は説明がつくかもしれないが・・・

 

 

 

痛み刺激のとり方

JCS、GCSを取る際にレベルによっては患者に痛み刺激を与える場合があります。

今回は痛み刺激をどこでとるか、というお話です。

去年臨床配属で二外か脳外の先生に教えてもらった内容なのでBSLで聞いたことがあるかもしれません。

 

痛み刺激をとれる場所は3か所あります。

1.指の先端(爪)

2.胸骨

3.僧帽筋

 

痛み刺激に適した条件として、「適切な痛みを与えても痕が残らない」ことが必要です。

痛みが弱すぎてもダメだし、患者の身体に傷跡を残すと問題になる(ことがある)からです。

 

爪の圧迫は一番行われていて簡便です。欠点としては強めに押さないと痛くないこと、モニター類が装着されているとやや取りにくいことかなと思います。

胸骨を拳でグリグリするのはこの中で一番痛いと思います。ただ、見た目がいじめているように見えるので、周囲に家族がいる場合はやりにくいです。

 

俺のおすすめは3の僧帽筋です。方法は親指と人差し指で僧帽筋をつまむだけです。自分にやってみてください。意外と痛いんですよね。

見た目がスマートで慣れるとすばやく取れるので救急搬送時などぜひやってみてください。

 

ヒゲの脱毛に行ってきました

実は研修医になって1年目の今年の7月からヒゲの脱毛をしています。先日4回目を受けたので、途中経過をまとめておこうと思います。

 

なぜ脱毛を始めたかというと、毎朝剃るのが面倒なのと、将来的にも生やすつもりは無いからです。あとは自分が子供の頃、抱っこされた時にジョリってなるのが嫌で、自分の子供に嫌われたくなかったのもあります。

 

周囲で脱毛したという話はあまり聞かないので一般的ではないかもしれませんが、入墨をした芸能人とか、精神科の先生もやったそうなのでありかなと思い軽い気持ちで始めました。

 

どこでやるか。

秋田で脱毛できる所は限られていると思いますが、太田母斑のレーザー治療で同じ頃に通院していた元町形成外科にしました。

元町形成の橋田先生はレーザー治療の専門家なんですね。最初に説明してもらって受けるかどうか決めますが、説明は5分程度で3000円です。

 

・脱毛には3種類ある。針、痛いレーザー、痛くないレーザー。

・針は1番効くけど1番痛い。1本ずつ通電するため効率悪い。

・痛くないレーザーは試したけど効かない。

・痛いレーザーが最も現実的な方法。

・「半永久」脱毛です。言葉遊びですが。

 

こんな感じの説明を受けます。

値段は男性の場合鼻より下全部で1回1万5000円です。口輪、ほっぺ、あご、耳下全部込みです。

これ、すごく安いんです。ネットとかにある脱毛クリニックだとパーツごとに値段が決められてて、同じ範囲をやるとおそらく1回5万超えます。

たぶん女性の脱毛も、他より安いと思います。値段は聞いてませんが。

何より、専門の医師にやってもらう方が安心じゃないですか? 受けて思いますが脱毛はそれなりに侵襲のある処置です。

 

痛みですが、まあ痛いです。

NRSでいうと10段階の9です。焼かれるような激痛がバチッバチッと当てられていきます。

これより痛い針脱毛を受けたという精神科の竹◯先生は相当強靭な心をお持ちです。照射中にどうしてこんな仕打ちを受けているんだろうと俺も思いました。

レーザーの場合は時間は2〜3分なので顎がもげそうになりながら耐えます。4回目にレーザーの種類が変わってさらに痛くなった気がします。

 

終わった直後は照射範囲の皮膚が赤く腫れますが、夜までには引きます。

その後1週間はにきびが必発です。特に1回目の後はものすごく発生しました。マスクできる職場で幸いでしたが、思春期よりも多かったです。俺は膿疱だけは24Gの針で真皮を傷つけないようにドレナージしています。

照射した日はつるつるになりますが、その日の夜からのびてきます。おそらく毛穴の中に残っている毛で、引っ張るとするっと抜けます。これは抜いてもいいし剃ってもいいそうです。俺は抜いてますが無理すると炎症になります。

1週間くらいで細い毛が生えてきます。この辺りが1番薄くなる時期です。それからだんだん増えてきて、1か月経ったあたりが治療効果の最終です。

これを1回目と2回目の間は4週間、その後は6週間あけて照射していきます。

 

俺の場合は口の周りと下顎角周囲は2回目で細い毛しか生えてこなくなりました。オトガイ舌骨間は1ー2回目まではまだらに減っていましたが4回目ではかなり薄くなりました。逆にしぶといのがオトガイ部で、7割くらいにしか減っていない気がします。

1番嫌だったのが下顎角周囲だったので、ここまでは満足しています。回数を重ねるごとに効果が下がっている気がするので、どこまでやるかは自分次第かなと思います。太田母斑の治療と同じ日にやっているので、そちらが済むまでは続けてみようと思っていますが(1年くらい)。

比較的時間のある研修医のうちに終わらせたいですね。

血管内治療について その2

前回の続きからです。

血管内治療で何をやりたいか、と考えて俺が見つけた答えは血栓回収でした。脳梗塞の治療としてはtPAが国試でも最近よく聞かれます。ですがtPAは適応が限られていて開通率がそれほど高くないそうです(3時間以内の投与で予後良好が1/3くらい)。対して血栓回収はtPAより施行が遅くても高い開通率です。今後重要な治療法になると俺は思っています。

脳卒中の半数以上は脳梗塞です。大学に入院する患者はSAHが多いのであまり分かりませんが脳梗塞の発症数はSAHの3倍以上です。そして市中の病院の脳外科の入院患者はほとんど脳梗塞です。

市中病院で寝たきりの脳梗塞慢性期の患者をみて、何とかならないのかなと俺は思っていました。外科なのに手術しない入院患者ばっかりみてるんです。だからやりたいことと言われて真っ先に思いついたのが血栓回収でした。

ここまで語って血栓回収を実際に見たことは無いんですが、血栓回収を受けた患者は1度見ました。本当に脳梗塞が起きたのかと思うくらい神経機能障害がなく、今まで麻痺や寝たきりの患者をたくさん見てきたのでその結果を見て感動しました。

なのでつい最近まで血栓回収をずっとやりたいと思ってました。

勉強について アンチビデオ講座

医学部の同級生の9割以上はメック、テコムといったビデオ講座を契約しています。大学入試でも予備校の授業をVODで見れるサービスがありますが、それの医師国試版です。

俺は高校時代にT進というVODの予備校に通っていて、その経験からビデオ講座の必要性を感じなかったので契約しませんでした。

高校でみたものでひどかったのは、映像の8割はタイマーが映っているだけでその時間に自力で覚えるという英単語講座です。他の講座はそこまで悪質ではありませんでしたが、結局予備校は人気職なので多くは内容よりキャラクターで勝負しているように感じました。

大学のビデオ講座の話に戻りますがVODの性質上、講義内容は誰が見ても理解できるように作られています。しかし受講する時期には同じ内容をCBTなどで一度勉強しているので、どうしてもリマインドが多くなってしまいます。そしてかかる時間は見る前の理解度に関わらず同じです。それでかビデオ講座って眠くなりますよね。

なので大学から補助が出るとはいえ、数万円払うんだったら教科書や問題集買った方がましかなと思います。受講と同じ時間で自分で勉強した方が効率よくできます。講座料金を自分が払うと思ったら、みなさん受講しますか。俺はやらないと思って契約しませんでした。

 

心因性のてんかん発作

先日、てんかんの講演会で聞いた話ですが、

心因性てんかん発作の見分け方は発作時の閉眼で、目をぎゅっと瞑っているときは心因性の可能性があるそうです。舌を噛まない、もあったと思います。

また、解離性障害の不随意運動の特徴では

!他者の抑制で振戦の振幅が増大する

!不随意運動の出現していない肢に一定のリズムで随意運動させると不随意運動のリズムが同期する

などがあるそうです。(金芳堂 脳神経外科学)

心因性といっても、本人はわざとやっているのでは無いというのは重要です。

不適切な治療をしないように覚えておきたいです。

 

中学2年の修学旅行で沖縄に行った時の話です。

俺は2日目に熱を出してしまって、沖縄の病院に入院したんですが、そこでせん妄をおこしました。

知らない病院で点滴繋がれてるのが怖くて、立ち上がって多分点滴を抜いたと思います。

ここどこだろうと思っていたら人がやってきて、何人かで押さえつけられました。

そうなるとますます怖くて、でも力は敵わないから全身で暴れてけいれんみたいな動きをして抵抗しましたが、それ以降の記憶がありません。

たぶん鎮静させられたんだと思いますが、けいれんで髄膜炎か何かを疑われたのか腰椎穿刺までされたそうです。起きたら腰が痛かったです。

もしその場にいた人が本当のけいれんじゃないと見抜いていたら、刺されることは無かったのかなと最初の話を聞いて思いました。

俺の教訓は病院で暴れると余計面倒なことになる、というところです。

sb.

勉強について その3

俺は勉強する時に、教科書を通読しています。

 

講義の良い所は記憶に繋がりやすいことと、要点を押さえられることです。その代わりに、内容は講師に依存してしまうので深く勉強したい時やレベルに合っていない時は不向きです。

つまり講義は初学者には良い方法といえます。

講義と同じ内容を勉強する場合は読んだ方が早く理解できます。しかし大事な所が分からないと余計な労力をかけることになります。また、情報量は講義と比較して段違いです。

したがって講義で要点を押さえたら、読んで補完していくのがいいと思います。

 

そこで何を読むかですが、きれいにまとまっているもの(医学生でいえば病みえ)より詳しく解説してくれているもの(俺はSTEP派です)がいいと思います。

まとめは覚える時に使います。理解するためには解説がしっかり書いてある方がいいです。病見えを見ながらまとめノートを作るのは意味がない。病みえがまとめとして完成されているからです。病みえよりまとまっているノートを作れますか?

読む際に、俺は通読します。マニアックな難しい話でも、一度読んだことがあるか無いかで次に聞いた時の入りが全く違うからです。他の人と差がつくのはここです。

自分が理解したいレベルに合った本を選んで通読します。全員同じものをやったら頭が良い人が勝ちます。頭が良い人に負けないためには違うものを読んで他の人が聞いたこともないような知識を得る必要があるのです。

 

医学生の勉強では、みんなと同じことをしろと言われます。病みえ買って、ビデオ講座見て、イヤーノート買って、クエバンと過去問を解く。

試験に受かるためなら確かに同じことをやれば受かります。でもそれだけじゃ力になってないと思います。医者になってから勉強すればいい、かもしれません。でも今勉強してる人は医者になってからも勉強し続けるので、学生のうちに差がついたらもう追いつけないですよね。

本当にそれでいいのか。そう思う自分が中にいて、俺は勉強をしています。